感情的人身売買

たまには要員派遣のような、要は人売りみたいなこともする。取引先から提案のあった方をお客様のところへ面談に連れて行き、お客様の案件に月々の単価幾ら幾らという形で売りさばき、仕入れ値との差益で商売が成り立つ。まあ商流が土木業界なみに深いと云われるこの業界では、よくあることなんですけどもね。

 

売りさばく前には当然自分でも面談をする。ほんの短い時間だけれども良く笑い合える仲になったりもする。29歳の好青年。俺ぁこいつのこと気に入った!お客様の面談も絶対大丈夫だから他の案件断ってこっち来なよと言いもした。でもお客様の面談での評価が厳しくて、単価の交渉がうまく成立せずに、嗚呼、差益がほんのわずかになってしまいそう。彼の会社の営業さんに連絡する。『もうちょい単価下げられませんか!』。

 

帰路で思い悩み家に着き、すでに遅い時間なのでメールで取り消す。『思い直しました。気持ち良くスタートを切って欲しいので、やっぱりご提案いただいたままの単価でお願いします!すみません!』。好青年値切るなよ、俺。電話してから取り消しのメールまでわずか2時間、営業さんメール見たら、きょとんとするだろな。嗚呼はずかし。